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大蛇の紋章 ~ヨーロッパの紋章について~ 第一章

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第一章 まえがき (Introduction)
  1-1.アルファの楯
  1-2.論文執筆にあたって


第二章 紋章の起源 (An Origin of Arms)
第三章 紋章を構成するもの (An Organization of Arms)
第四章 描かれしもの達 (Featured)
第五章 ヴィスコンティの大蛇 (Visconti Dragon)
第六章 あとがき (Postscript)

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第一章 まえがき (Introduction)

1-1.アルファの楯

すべては、知人が少し趣の変わった赤いクルマを手に入れたことから始まる。私はそれまでクルマというものにはほとんどと言って良いほど興味がなかったのだが、眩しいくらいの赤い色とちょっと不思議にも思えるデザインに惹かれて、珍しくもその時はしばらく見惚れてしまっていた。そして、何だか自分が普通に知っているクルマとは雰囲気が違うなと感じながら、そのクルマの前に回ってみると、何とクルマの鼻の部分には「楯」が付いているではないか。しかもその楯の中には、「赤い十字架」と「人を呑み込む緑色の大蛇」とを合わせたような紋章が誇らしげに輝いていて・・・。

その見慣れないクルマとは、アルファ・ロメオというイタリアの自動車メーカーが作ったクルマなのだそうである。そしてその紋章は、アルファ・ロメオ社の発祥の地であるミラノ市の市章と、ミラノのルネッサンス期最大の宮殿であり、別名「ミラノ城」とも呼ばれているスフォルツェスコ城を築いたヴィスコンティ家の紋章を合わせたものなのだという。
そのような話を聞かされているうちに、私は風変わりなクルマそのものではなく、その「紋章」というものの存在にどんどんと惹き付けられて行った。なんて魅力的な話なのだろうと思い、いつの間にか「紋章」について興味を持って調べ始めていこうと決めていた。

真ん中の部分で分割されるマークのうち左半分を占める赤い十字架は、現在でも使われているミラノ市の紋章であり、その由来は諸説あるようではあるが、11世紀に編成された第一次十字軍に参加して宗教戦争のために血を流したミラノの男たちを記念したものだとも、その際に最初にイスラエルの城壁に十字架を立てたミラノの英雄「ジョバンニ・ダ・ロー」にちなんだ「聖ジョージの赤い十字」というものだとも伝えられている。いずれにせよ、当時のイタリアは独立した都市国家で形成されていたので、人々はイタリア人というよりも「ミラノ人」としてのアイデンティティを重視していたのだと思われる。真紅の十字架にはそのミラノ人としての誇りが込められているように感じられる。
そして右半分の人を呑み込む王冠を被った大蛇のマークはヴィスコンティ家の紋章であり、その由来も諸説あってはっきりしないようであるが、有力な説としては、元々はヴィスコンティ家の初代当主である「オットー・ヴィスコンティ」が十字軍に参加した際に倒したイスラム兵士の楯に付いていたマークを自分の家の紋章に使ったのが始まりだとも、また人間は十字軍に成敗されたイスラム教徒のサラセン人であり大蛇は誇り高きミラノ人の化身であるのだとも伝えられている。郷土の英雄に対する畏敬の念ともいえる強い思いが込められているのであろう。
つまり、アルファ・ロメオ社の紋章にデザインされているのは、ミラノ人のプライドそのものであり、強烈なまでの郷土意識なのである。

ということは、紋章というのはそのデザインの中に深い歴史を持っていることになる。また貴族だけが使うものではなくて、市のような地方公共団体(外国でもそのように呼ぶのだろうか)でも持っていることになる。イタリアは近年までそれぞれの町が独立国家だったので、最初はミラノ市に特有なものかとも思っていたが、調べて行くうちに他の市はもちろんのこと、それ以外にも「州章」や「国章」というものまであることを知るようになった。やがて日本にある「家紋」にも通ずるものがあるのだと知り、ますます興味が湧いて来た。
このような経緯から、私は論文を書くにあたってのテーマを「ヨーロッパの紋章」にしようと決めた。それにより紋章の面白さを知り、いろいろな文化や歴史の背景に触れることができたらと思う。

1-2.論文執筆にあたって

テーマが決まり論文を執筆するにあたって、まずはセオリー通りに図書館での書物探しと、インターネットでの情報収集を行った。後に詳しく触れるが、西洋においては「紋章学」というものが一つの「学問」として存在しているくらいに、紋章というものは大きな研究テーマとして確立されているのだが、日本ではまだまだ研究材料として取り上げているものは少なく、特に書物に関しては大きな図書館であっても近隣の図書館から取り寄せて貰わなければならないくらいであった。

01_002.jpg
森護氏 1923~2000

しかしながらそれらの資料を実際に手にして読み進むうちに、私は行き詰まってしまった。それはなぜかと言うと、どの資料にも同じようなことが、それも同じような言葉遣いで書かれていたからだ。良く読んでみるうちに私は、ほとんどの文献やホームページの中に、参考資料として「森護氏」が書かれた書物の名が挙げられているのに気付いた。つまり私が集めた資料の多くは、森護氏が書かれたものを参考としていたのである。
森護氏は1923年生まれの元NHKの政治部記者の方で、仕事の傍ら西洋の紋章に関心を持ち、それまで日本ではあまり研究されていなかった西洋の紋章について詳しくまとめられた方である。NHKを定年退職後は西洋紋章学・西洋王室史専攻の大学講師として勤めていたそうであるが、残念ながら2000年に亡くなられている。これではどのように文献を集めてみても、相当に自分での考察を加えない限りは森護氏の本を丸写ししただけになってしまう危険性がある。そこで私は、森護氏の研究成果はそのまま活用しつつも、自分なりの解釈を加えて論文を進めて行こうと考えた。特に私を紋章の世界に惹きこんでくれた「アルファの楯」などに関しては、森護氏の本ではほとんど触れられていないので、これについても深く掘り下げて行くことにした。

  1. 2011/02/01(Tue) 00:05:08|
  2. 大蛇の紋章
  3. | コメント:4
  4. | Edit
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Comment (Thanks!)

ヨ!

急に、紋章について読んでみて!と言われても、多分読まないけど(笑)、こうやってブログにされると、読んでみたくなりますね! 今年は蛇グッズを身近に置きたいのでアルファロメオのマーク、魅力的ですし(笑)
  1. |
  2. 2011/02/01(Tue) 14:22

アルファのマークは

> ゆーこさん
アルファのマークはいろいろとグッズが出てますよ。
ヘビさんの縫い包みなんてのも定番だったりします(笑)!
  1. |
  2. 2011/02/01(Tue) 14:56

少しずつ

ミラノ人とかベネツィア人とかローマ人とか昔はそんな感じだったんでしょうかね?
イタリアは南と北じゃ人の気質が全然違います、とガイドさんが言ってましたが。。。
なんだかおもしろいですね。少しずつ読ませてもらってます。

  1. |
  2. 2011/02/02(Wed) 09:05

ローマ帝国の

> harakoさん
ローマ帝国の末裔ですからね!
  1. |
  2. 2011/02/02(Wed) 09:16

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